
皆さん、はじめまして。私たちは、北海道の上富良野町でホップを栽培しています。
実は、ここ上富良野町は北海道で約100年にわたりホップを育てている土地になります。

美しい山々に囲まれた爽やかな気候。ホップ栽培に適した欧州に近い緯度。
そして、地形がホップの世界的な名産地であるドイツ・ハラタウに似ているという事もあり、大正12年(1923年)に現サッポロビールがホップの試験栽培をスタートしました。
戦時中にはビールの醸造が停止させられるなど様々な困難に直面しましたが、今日に至るまで、「国産素材にこだわったおいしいビールをつくろう」という想いでホップ栽培が続けられてきました。

さて皆さんは、ホップと聞いてどんなものか思い浮かびますか?
ホップはビール原料として使われる「特用作物」と呼ばれる作物で、他の用途で使われることはまずありません。人がそのまま食べることもほとんどなく、原料として香りやおいしさを楽しんでもらうために育てられているのです。

このホップの特徴は、なんと言っても“球花”(きゅうか)と呼ばれる実の形です。“球花”とは、松ぼっくりのような形をしたもので、ホップの果実になります。そして、作物として収穫するのもこの部分になります。
さらにもうひとつの特徴として、ホップはアサガオのような“つる性”の植物なんですが、なんと背丈が5m以上にまで成長するのです。
ただ一方で病気になりやすく、手間暇も多くかかります。ですが掛けた愛情の分だけ、爽やかな香りを放つ球花をたくさんつけて応えてくれる、素直で可愛らしい作物です。

そんなホップの中でも、ここ上富良野町で開発された「フラノビューティ」は、特に“香り”“実り”“球花の美しさ”がいい品種になります。

そして、そのマスカットのような爽やかな香りでビール以外の製品にも採用されてきました。これは世界的にもとても珍しいことなのです。
上富良野町のホップが、ホップという作物の魅力を伝える新たなきっかけになっている。そう思うと、作り手として素直に嬉しい気持ちになります。

また機会がありましたら、次は私たちのホップ栽培の様子についてお話させていただきます。
それでは。