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トチの日々
加賀棒ほうじ茶

「もったいない」が
生んだ、
石川県の
香る文化

1月 石川

皆さん、はじめまして。
私たちは、城下町ならではの豊かな食文化で有名な石川県で製茶業を営んでおります。

ここ石川県は、「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉があるほど雨が多い地域です。 しかし、それだけ高い湿度だからこそ引き出せる、お茶の“香りと味わい” があるんです。

私たちはそれを日々追求することで、お茶を通して石川県の土地と文化の魅力を全国にお届けしています。

さて、突然ですが皆さんは「加賀棒ほうじ茶」をご存知ですか?
石川県の金沢が発祥で、お茶の葉ではなく、茎のみを使って作られるほうじ茶です。

明治時代、それまでは捨てられていた茶の茎がもったいないと、金沢の茶商が焙じて飲んでみたことが始まりとされ、現在では石川県を代表するお茶にまで発展しました。

ではなぜ、茎を使ったお茶が、ここまで愛されるようになったのか。
その理由は、このお茶の「香り」にあるんです。

茶の茎は茶葉より香気成分が豊富なため、棒ほうじ茶は一般的なほうじ茶以上の香りが楽しめました。そのため、安価なのに豊かな香ばしさが味わえると、当時の庶民の方々を中心に親しまれていったんです。

こうして、石川県の文化の一つと言えるまでの逸品となった加賀棒ほうじ茶。

次回は、その香りを引き出す鍵となる、「焙煎」についてご紹介させていただきます。
それでは、また。