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トチの日々
伊達麦茶

いよいよ麦の収穫!
農家の幸せは、
育った麦の“シワ”にある

8月 宮城

皆さん、こんにちは。 今回はついに収穫の季節を迎えた石巻の麦畑から、私たち生産者の日々をお届けしていきたいと思います。

一面の銀世界から始まった麦畑の日々から一転。本日は暑い日差しに照らされて輝く、黄金色の麦畑が広がっています。麦たちの背丈も麦踏みをした頃からスクスクと伸び、60~70cmほどにまで育ちました。

実った麦たちを見ると、みんな同じ方向にお辞儀をしているのがわかりますか? これは麦の習性、という訳ではなく、天候の影響によるものなのです。

麦は本来、それぞれ別の方向に穂を垂らします。ですが今回は雨風の影響を受け、このように同じ方向に穂が垂れ下がってしまったというわけです。

酷いときだと麦がすべて倒伏してしまい、これまでの苦労が台無しということもあります。なので収穫の時期には、辛抱強く空とにらめっこ。天候のダメージを受けない最適なタイミングで収穫を行えるよう、最後の最後まで神経を研ぎ澄ませているのです。

さて、こうして無事収穫を迎えた麦ですが、その良し悪しはある意外なところに現れます。
それは、“シワ”。
麦の表面に、豊熟のサインとしてシワが出るのです。ツルッとした麦のほうが一見良い麦に見えますが、実は、シワがある麦の方が出荷される際の等級も上なのです。

努力が実った証が一粒一粒にシワとして現れる。それを仲間と見ている瞬間は、報われたなぁという嬉しさで気持ちがいっぱいになります。この瞬間を迎えるために、厳しい自然と戦いながら麦畑を見守ってきたと言っても過言ではありません。 (私個人としては、後3年くらいで小さな麦に入ったシワが見えなくなってしまうかもしれないという不安とも闘っています。笑)

麦の収穫に関する話はまだまだありますので、また機会を見てご紹介できればと思います。
それでは、また。