おいしい!ひらめきがある POKKA SAPPORO

シチリアからの風~マンマに教わったとっておきレシピ~

シチリア島トラーパニ在住でシチリア料理・菓子 スペシャリストの佐藤礼子さんから、シチリアの暮らしと食、とっておきのレシピをお届けします。

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1年で一番美しい&おいしい季節が到来です!

「シチリアで一番いい季節はいつですか?」

今まで何百回と質問されました。
春にはあたり一面にお花畑が広がり、真夏は真っ青な空と真っ青な海。
秋にはオリーブの収穫風景と搾りたてのオリーブオイルを楽しむ事ができ、冬にはクリスマスから復活祭までの間にたくさんの宗教行事があって。
1年中、楽しむことができるシチリア。
でも、私が一番好きな季節はなんといっても6月。
どうしてかって?
それは、一番美しくおいしい季節だから!

過ごしやすい気温と最高に美しき海

真夏突入寸前の6月のシチリア。
シチリアは7月を過ぎると、日中12:00~18:00くらいまでの時間は本当に暑く。
太陽の力がとっても強いため、直射日光の下は陽射しが痛いほどで、外を歩くのもためらってしまうほどです。
6月はまだそこまでは暑くないのですが、季節はもう夏。
真っ青な空が広がり、その青さを反射した海は浅瀬から深いところに向けて青のグラデーション。
青、と言っても海の青は1つではありません。
海の深さや海底が砂なのか岩なのかによって、深い青、エメラルドグリーン、淡い水色…
色とりどりの青!
6月は夏ならではの本当に美しい海の風景を眺める事ができる最初の月。
また、イタリアでのバカンスが本格的に始まるのは7月なので、6月はまだそれほど街も海も混んでいないのでゆっくりと一足お先に夏を楽しむことができます。
1年中美しいシチリアの海ではありますが、やはり一番美しいのは多くの人が海水浴に訪れる前の季節。
6月は気候も過ごしやすく、海も最高に美しい、とっても良い季節なのです。
ちなみに6月は既に海水浴をすることもできます。
でも海水浴するならおすすめは夕方。
朝の海はまだちょっと冷たく。
でも1日、シチリアの強い太陽を浴びた夕方の海は水温が少し上がってちょうどよい温度に。
透き通った真っ青な海を独り占め状態で楽しめます!

  • トラーパニの街は真っ青な空トラーパニの街は真っ青な空
  • エメラルドグリーンの海エメラルドグリーンの海
  • シチリアの西の端リニーの塔シチリアの西の端リニーの塔

6月は1年で1番日が長い季節!

イタリアは3月最後の日曜日から10月最後の日曜日までがサマータイムとなり、通常の時間より1時間、うしろに戻ります。
正確には3月最後の日曜日の3:00が2:00となり。
つまり、昨日の18:00が今日の17:00となる3月最後の日曜日。
日の入りの時間が1時間遅くなることになるので、日は1時間長くなることとなります。
6月は夏至がある月でもあるので、1年の中で一番日が長い月とも言えるでしょう。
この季節、大体21:00くらいまでは明るいので、日本から来た方はその明るさにビックリ!
シチリアの夜ごはんは通常20:00くらいと、日本と比べると遅く始まるのですが、この季節は20:00でもまだ明るく。
とても夜ごはん…という気分でもないので、海の見えるワインバーや、トラーパニ旧市街のバールでアペリティーヴォ(食前酒)を楽しむのが恒例。
アペリティーヴォの定番はスプリッツというオレンジ色の飲み物。
これはカンパリ、またはアペロールというちょっと苦めのリキュールを白ワインとソーダで割った飲み物。
トラーパニのバールではアペリティーヴォを頼むと、簡単なおつまみセットが無料で付いてきます。
食事前にちょっと軽くつまみながら飲んで、食欲を増進させるのがアペリティーヴォですが、最近はアペリチェーナ(アペリティーヴォ+チェーナ(夕食))が流行っています。
アペリチェーナを頼むと、簡単なおつまみセットではなく、サラミとチーズの盛り合わせなどかなりボリュームのあるおつまみが付いてきます。
アペリティーヴォの後に夕食に行かず、バールで軽く夕食を楽しみたい…という健康志向の人達のためにここ数年、急に流行ってきたアペリチェーナ。
私もちょっと軽く食べて一杯飲みたいな…という日は、アペリチェーナを楽しみに行きます。

トラーパニはシチリアの西の端に位置しているので、海に沈む美しい夕日を眺める事ができます。
刻一刻と空を染めながら、最後は真っ赤になって水平線に沈んでいく夕日。
その姿はまるで大自然のスペクタクル!
21:00を過ぎて、夕陽も沈み、暗くなったころに、さて夜ごはんでも…という夜型の生活になるシチリアの夏。
1日が長い季節はそれだけで気分がワクワクします!

  • 夕陽で真っ赤に染まる空夕陽で真っ赤に染まる空
  • 美しい旧市街を眺めながらのアペリティーヴォ美しい旧市街を眺めながらのアペリティーヴォ
  • アペリティーヴォの定番スプリッツアペリティーヴォの定番スプリッツ
  • アペリチェーナアペリチェーナ
  • こんなにボリュームのあるアペリチェーナも!こんなにボリュームのあるアペリチェーナも!

6月の魚市場には黒まぐろがドーン!

トラーパニはまぐろ漁で知られる街。
でもまぐろ漁は1年中行われるわけではなく、6月を中心にその前後の月のみに行われます。
なぜならまぐろは回遊魚だから。
6月前後にトラーパニ近辺を通過しながら、他の土地へと回遊していくのです。
トラーパニ近海でとれるのは黒まぐろ。
黒まぐろは「まぐろの王様」とも言われ、日本にもかなりの量の黒まぐろが輸出されているそうです。
そしてこの時期、漁港近くで開催される魚市場にはドーン!とまぐろ1本の姿が!
注文すると大きななたのような包丁で、ダイナミックに切り分けてくれます。
トラーパニでは赤身もトロも同じ価格で売られていて、それも1kg20ユーロ程度(現在のレートで2500円くらい)と、日本と比べると破格の安さです。
トラーパニの人々は赤身を好むようで、トロの部分を買っていく人は少ないため、価格は赤身もトロも同じとのこと。
まぐろは「海の豚」と言われていて、捨てるところがありません。
(豚肉も捨てるところなくほとんどの部位が使われます。)
市場ではまぐろの白子が並び、卵巣は加工されてカラスミとなり、心臓や胃袋も加工されて保存食となります。
赤身やトロも茹でてオイル漬けにされ保存食に。
回遊魚のため1年中とれるわけではないので、すべて保存食として他の季節にも楽しもうという先人の知恵が、今のトラーパニの伝統料理となったのです。
市場に並ぶまぐろは毎年見ていますが、何度見てもそれはそれは豪快!
6月にトラーパニに来たら必ず見ていただきたい季節の風物詩です。

  • 各部位ごとに並べられたまぐろ
各部位ごとに並べられたまぐろ
  • 薄いピンクが美しいトロの部分
薄いピンクが美しいトロの部分
  • トラーパニではカラスミと言えばまぐろのカラスミ
トラーパニではカラスミと言えばまぐろのカラスミ

すもも、あんず、びわ、さくらんぼ・・・初夏のフルーツが並ぶ市場

魚市場の近くには、6月ならではの鮮やかなフルーツが並びます。
赤、深い赤、緑などなど、色とりどりのすももはシチリアの太陽に照らされキラキラと輝き…。
その姿はまるで宝石のよう!
あんず、びわ、さくらんぼなど、初夏のフルーツは旬がとっても短いため、1年の間で1~2か月くらいの間しか楽しむことができません。
日本ではとても高価な初夏のフルーツですが、トラーパニでは1kg2ユーロ(250円程度)と本当にお手頃価格。
心ゆくまでたっぷりと楽しむことができるのです。
私の一番のお気に入りはあんず。
日本ではあまり見かける事のなかった生のあんず。
シチリアに来て初めて食べたのですが、柔らかくてねっとりとした食感、そして天然の甘さが凝縮していて…おいしいこと!

6月のシチリアは美しい風景だけではなく、この時期にしか楽しむことができない美食がギュッ!と詰まった月でもあるのです。

  • 生のあんず
生のあんず
  • キラキラ輝くさくらんぼ
キラキラ輝くさくらんぼ
  • (手前から)あんず、すもも各種、桃各種

(手前から)あんず、すもも各種、桃各種

私が6月が大好きな理由がお分かりいただけましたでしょうか?
美しい大自然と美食、シチリアの醍醐味を1年の中で一番1日の長い季節の元で楽しめる、それが6月なのです。

さて、今月は、トラーパニで今が旬!なまぐろを使った料理を紹介します。
魚を生で食べる習慣のないシチリアですが、最近ではレモン汁で簡単にマリネした生魚がレストランではちょっとした流行りとなっています。

レシピ

まぐろのタルタルのブルスケッタ

まぐろのタルタルのブルスケッタ

まぐろのタルタルは忙しい時でもすぐに作れる便利な1品。 パンの上に乗せて食べやすいカジュアルなスタイルにしましたが、お皿の上にセルクルを乗せて丸く抜けば、ちょっとオシャレな前菜に早変わり! レシピはこちら

佐藤礼子佐藤礼子 (Reiko Sato)
ラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。

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