




仕事をする上でのモットーは?

一日一生。一期一会。その瞬間を全力でやるのが私のモットーです。
企業さんでも、人であっても、何かの巡り合わせで、ご縁を頂いていると思うんです。だから、その出会いを無駄にせず、最高の瞬間にするということを心がけています。その結果、自分自身にとってもいい仕事ができたり、お相手に「もう一回お仕事を一緒にしたい」と思っていただけたりすることが多いですし、お仕事だけでなく、人生はまさにその積み重ねにあるように思いますので、一つ一つの瞬間を大事にしています。
なぜそこまで全力で取り組めるのですか?
出会いやご縁はすべて偶然であり、かつ必然として、もたらされるものだと思っています。だからこそ、目の前にある「ご縁」は有り難く、分け隔てなく大事にするということが、これまでの経験で培ったことです。今までお会いして来た3000人以上の著名人の、いわゆる成功者といわれる方々がまさに同じような考え方をされていらっしゃるんですよね。よい関係、よい時間を積み立てていくことで、結果的に、三方良し、ソーシャルグッドでかつ、皆がハッピーになれるということを成功者の彼らが実践するのを目の当たりにしてきました。そんな彼らの生き方/考え方を勉強させていただいております。
力を出し切れずに後悔した経験は?
力を出し切ったとしても、望んだパフォーマンスができないことは多々あります。でも、その中で後悔をしているかというと、私の場合、それはほとんどなくて。成果が出ないってことは、次への課題が見えたということ。日々勉強したり、変化し続けなければ、この時代の早さについていけない中で、明日への宿題が顕在化するのは、ものすごく有り難いことだと思っています。ですので、むしろ、誰もが嫌がる「失敗」だとか「不足感」「未達成感」、そういう一見ネガティブに見える要素は、私にとってこの上ないエネルギーになるんです。まさに、未来をつくるかけがえのないエネルギーです。

気が滅入ることはあまりない?
精神的に滅入ることはほとんどないですが、状況的に滅入ることには、しばしば陥っている気がします(笑)。その事実をどのように消化するかということがとても大事で、たとえば、私のキャリアのスタートになった大企業の倒産がありますが、それって、滅入ったり、くよくよしてても仕方ないじゃないですか。歩き出すしかないし、動き続けるしかないんです。つまり、どうやってそのハードシップに向き合うかで、その人の10年先が大きく変わってくるように思います。出されたボールは絶対にネガティブにとらえない。たとえ、それがネガティブなことだとしても、それを楽しむことが人生を好転させる、っていうのは自分の中では確信できていますね。それは逃避しているわけでも、苦しさから目を背けているわけでもないんです。どん底を味わい尽くすことで、プラスへの振り幅が大きくなるんです、頂点が見えるようになるんです。だから、どんな状況も全力で向き合うことを心がけています。
すっぱいものを飲みたくなる瞬間は?

あります!私すっぱいものが小さい頃から大好きなんですよ。今でもよく口にするのは、大切な「本番」の前に摂るということ。たとえば、テレビでコメントをする前とか、大きな舞台に立つ前とか、海外からいらした要人にインタビューする直前とか。味が好きというのもありますけど、心の「スイッチ」を入れるという意味合いが大きいですね。気持ちの切り替え、リフレッシュにつながる一番わかりやすい体感なので、十数年続いている習慣でもあり、ゲン担ぎでもあります。



谷本有香
証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカーを務めた後、2004年に米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスター、同社初の女性コメンテーターとして従事。2016年からForbes JAPAN副編集長/WEB編集長。2020年3月末まで、跡見学園女子大学兼任講師。
これまでに、トニー・ブレア(元英首相)、スティーブ・ウォズニアック(アップル共同創業者)をはじめ、3,000人を超える世界のVIPにインタビューした実績をもつ。


