




格闘技をはじめたきっかけは??
幼少期からスポーツは水泳、サッカー、剣道などいろいろやっていたんです。しかし、中学生になると運動をしなくなり、目標が何もなく過ごす日々が続いて…「これは違うかな」って思いました。
何か一つの目標をやりつづけるってのを続けてきたので、自分自身で決めた約束を通し続けたいと思い、15歳で格闘技を始めました。
ボクサーとして切り替えることは重要?

ボクサーだから「食べていいの?」「遊んでいいの?」って周りからすごく言われることが多いです。
でも、一生懸命やる事は大切ですが、私は一生懸命だけではたぶん勝ちにはつながらないと思います。過酷な事をしていくためにも、練習に集中するためにも、ON TIME・OFF TIMEの切り替えを重要視しています。
ボクサーには「忍耐」「根性」「努力」がつきものですが、海外に行って感じたことは、外国の選手は「切り替えをうまく使っている」ということ。遊ぶ時はとことん遊び、練習の時は別人かのように集中して取り組んでいる。そうやって脳を切り替えているからこそ、ストイックに取り組んでいけるのだ、ということを勉強しました。
メンタルを重要視しているように見えるが?
私はメンタルがとても重要だと思っています。私にとってメンタルのコントロールは本当に大変で、朝起きて走る時、ジムに行くときが、一番の戦いです。私は運動が好きではないんです。99.9%行きたくない。本当はグダグダしていたい(笑)でも、なんとか立ち上がって練習に行かないといけない。そんな時は、「過去続けてきた自分のためにも、行かないといけない」と自分自身に言い聞かせてます。それに、ジムではトレーナー、練習相手など私を待っている人がいます。行かねばならぬ現実がある。そういうことを考えながら、行かないといけない理由を何個もつくって、逃げ道をなくしています。笑。
なぜそんなに大変な思いをしてまで続ける?
約束したからです。
前までは「世界チャンピオンになる」と言いきり、もう獲った気でいたんです。でもいざその手前まで来ると「そんなに簡単には口に出してはいけない」という事がわかってきました。
それからは、オンとオフを切り替え、きちんと目の前の試合をこなしていく。そして自分の目標として決めたことをやり遂げる。そう自分と約束したんです。

試合後はどんな気持ちになる?
「やっとおわったー」と湯船につかっているような気持ち。大きく深呼吸します。そして、試合の緊張が一気に解かれて「よし!遊ぶぞ!」と、OFF TIME が始まります(笑)
「遊ぶんかい!」って声もあるけど、全く気にしない。
やることはやっているから、誰の評価も言うことも聞かない。自分で決めたことは、全て自分の責任だし、誰のせいにも後悔もしたくないんです。
Because this is my life you know?
I definitely don't give up on things that I have already decided on GOING MY WAY
こんな自分になりたいという理想像は?

常に「身体」と「思考」をアップデートし続けていきたい。衰えず、甘えずに、自分自身が実験台となっていろいろなことを試し続けていきたいです。ただ、ボクシングやっていると常に戦っているイメージを持たれがちなため、朗らかな、静かな日本人らしい人になりたいという思いもあります(笑)



高野人母美
女子プロボクサー、モデル。第2代OPBF東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者。日本でプレー後、米国でボクシングライセンスを取得。ロサンゼルスを活動拠点にメキシコなど海外で試合を行っているが、2019年より、日本での試合も再開した。


